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岩手県 陸前高田市 様

東日本大震災で甚大な被害を受けた、岩手県陸前高田市。震災直後は電話の不通や停電などによって、情報の伝達がままならないという状況がありました。同市教育委員会では、この経験をもとに、災害時でも確実に各学校と連絡が取れる体制の整備をご決断。2013年4月に運用を開始した公共施設間ホットラインシステムに、弊社のIP告知放送「安心おしらせシステム」をご活用いただいています。

災害時でも確実につながる情報ネットワークを目指して。避難所にもなる小中学校等の公共施設間にホットラインシステムを開設。

業種
業務
製品
ソリューション・サービス 安心おしらせシステム

導入背景

震災の教訓から、いつでも学校と教育委員会が連絡を取れるシステムを要望。

2011年3月11日に発生した東日本大震災で、陸前高田市は県内最大の被害に見舞われました。震災直後、固定電話は通信ケーブルの断絶、携帯電話は鉄塔等の被災により、通信が困難になるという状況でした。学校の現場でも、市の教育委員会が各学校の生徒および教職員の安否や、施設設備の被災状況をすべて把握するまでに相当の日数を要したといいます。そこで、校長会議などを通じて、災害時や緊急時に確実に連絡が取れる体制整備が不可欠として、震災後に敷設されたFWAネットワーク(※)を活用したホットラインシステムの検討が開始されました。その結果、弊社のIP告知放送「安心おしらせシステム」を採用いただきました。

当時のシステム導入状況について、震災直後から2013年3月末まで県庁からの応援で陸前高田市の教育委員会に出向されていた星野俊一様にうかがいました。

「震災直後から、災害時に各学校と教育委員会を確実に結ぶシステムが必要だという声は上がっていましたが、当時は学校再開のための活動で手いっぱいでした。学校再開後から検討を始め、複数社のシステムが候補に挙がりました。その中で、IP告知放送システムと域内電話が一体となった機能性や、誰もが簡単に扱える操作性など、こちらの要望に合致した最適な提案をいただいたことから、NECマグナスコミュニケーションズさんのシステムを導入することに決定しました。NEC復興支援推進室の方が何度も足を運び、親身になって相談に乗ってくださったことや、インフラとなるFWAネットワークの装置がNEC製品であることも決定を後押ししました。校長会議で要望を受けてから運用まで約1年半の時間を要しましたが、なんとか体制を作ることができ、今はホッとしています」。

岩手県教育委員会事務局 スポーツ健康課
国体選手強化担当 主任主査
(当時:陸前高田市教育委員会 学校教育課 副主幹)
星野 俊一 様

2013年4月より運用をスタートしたIP告知放送「安心おしらせシステム」によって、陸前高田市の教育委員会(市役所)、沿岸部にある公立小中学校6校、給食センター、オートキャンプ施設がホットラインで結ばれました。

  • FWA:Fixed Wireless Access/固定無線アクセス。無線を使った高品質の伝送システムのひとつで、各周波数帯を使って地域に合わせた独立型のIP無線通信網を構築できる。

ソリューション

緊急時の確実性と平時の利便性を兼ね備えたシステムに。

教育委員会に設置したセンター装置

今回のシステムは、陸前高田市役所内の教育委員会に設置したセンター装置、学校等の公共施設に導入したIP告知放送端末、電話機およびFAX付きコードレス電話機で構成されています。

各学校に独立した2回線を確保

従来より公立小中学校は電話の回線数が少なく、有事の際などは学校の電話がつながりにくく、教職員個人の携帯電話で連絡を取るケースが多かったといいます。そこで、各学校のFWAネットワーク配下にIP告知放送端末を2台設置し、それぞれに域内電話番号を割り当て、電話回線として2回線を確保。緊急時には1回線は教育委員会との通話用として、もう1回線はFAX付き電話につなぎ、口頭では伝わりづらい安否情報や避難状況等を紙ベースでやりとりできるようにしています。

IP告知放送端末による一斉告知

IP告知放送端末を使うことで、教育委員会からシステム導入校へ一斉放送を行うことができます。通常、生徒の避難は避難マニュアルに従って行われますが、「津波は本当に来るのか、いつ来るのか」「津波警報は解除されたのか」などといった情報は 、市役所内の教育委員会から情報をリアルタイムに逐次発信することができます。

応答ボタンで受信確認を徹底

IP告知放送端末には応答確認機能が付いています。たとえば、教育委員会から一斉放送で緊急避難を告知した場合、学校側は端末の応答ボタンを押すことで「了解」の合図になり、応答がない学校には自動的に放送が繰り返されるしくみになっています。これにより、より確実な情報伝達を徹底することができます。

システム導入施設は無料通話が可能

今回のシステムで結ばれた公共施設間は電話およびFAXの通話料が無料になります。そのため、緊急時のみならず、教育委員会と学校、学校間、学校から給食センターなど、通常の業務連絡も今回のシステムを使うことで、通信料の節約につながります。実際にシステム導入校では、教育委員会との業務連絡、他の学校との情報交換など、日頃から無料の域内電話をご活用いだいているとのことです。

陸前高田市立第一中学校
佐々木校長先生
端末は1台は校長室に、1台は職員室に設置

今後の展望

2013年4月より運用をスタートした、陸前高田市の公共施設間ホットラインシステム。子供の安全を守るとともに、学校は避難場所にもなることから、災害に強い連絡体制を整備できたことは大きな意味があるとして、学校長の方々にもお喜びいただいています。今後は、平時から本システムを積極的に活用し、さらに防災訓練などを通じて、いざという時に確実に使えるように慣れておくことが大切になるとのことです。

NECマグナスコミュニケーションズでは、今後も引き続きシステムのより有効な活用法などをご提案させていただきたいと思っています。

IP告知放送「安心おしらせシステム」にはタブレット端末と連携して、文字や画像を配信できる機能を備えており、音声を補完する文字による情報伝達や、画像による避難所の地図案内など、より充実した防災・減災情報の提供も可能です。弊社では今回のケースを足掛かりに、IP告知放送「安心おしらせシステム」を通じて、全国の防災・減災活動に貢献していきたいと考えています。

岩手県 陸前高田市 様

陸前高田市役所(仮設庁舎)

岩手県の最南東部に位置し、リアス式海岸で有名な三陸海岸に面しています。海、山、川の豊かな自然に恵まれた風光明媚な街として知られていましたが、先の東日本大震災で市街地は壊滅。多くの市民の方々が尊い命を落としました。震災から2年が経過した現在、少しずつではあるものの、街としての機能を取り戻しつつあり、復興への道を歩み始めています。市内随一の観光名所であった白砂青松の名勝「高田松原」も大津波にさらわれましたが、1本の松だけが倒れずに残り、「奇跡の一本松」として復興のシンボルとなっています。

導入製品・サービス情報

こちらから「IP告知放送「安心おしらせシステム」」のソリューションなど詳細情報がご覧いただけます。

印刷用PDF

「IP告知放送「安心おしらせシステム」」導入検討の際にご活用いただける資料をPDFファイルにてご用意いたしました。ぜひご活用ください。

お問い合わせ・資料請求

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